Enoの音楽日記

人生、何があっても、音楽を聴くと、自分を取り戻します。

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

高関健/東京シティ・フィル

高関健指揮東京シティ・フィルの定期演奏会。直球勝負のドイツ音楽プログラムだ。1曲目はベートーヴェンの「献堂式」序曲。実演で聴くのは珍しい曲だ。珍しい体験を楽しんだが、個人的な想い出がよみがえり、しばし回想にふけった。この曲はウィーンのヨーゼ…

「亜欧堂田善」展

千葉市美術館で「亜欧堂田善」展が開かれている。わたしの家から千葉市美術館までは2時間近くかかるが、行ってみた。 亜欧堂田善(あおうどう・でんぜん)といわれても、一体全体なんのことやら、わからない人も多いのではないだろうか。もちろんわたしもわ…

カーチュン・ウォン/日本フィル

カーチュン・ウォン指揮日本フィルの東京定期はすばらしかった。カーチュンは今年9月に日本フィルの首席指揮者に就任するので、今後が楽しみだ。 1曲目は伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」。第1楽章冒頭の弦楽器の暗い響きから、カーチュンの響きへの…

山田和樹/読響

山田和樹指揮読響の定期演奏会へ。1曲目は矢代秋雄の交響曲。オーケストラ・ファンには(わたしもその一員だ)、矢代秋雄の交響曲、ピアノ協奏曲そしてチェロ協奏曲は大切な曲目だ。今回も心して出かけたが、十分には満足できなかった。なぜだろう。それは異…

ソヒエフ/N響

トゥガン・ソヒエフ指揮N響のAプロ。1曲目はブラームスのピアノ協奏曲第2番。ピアノ独奏はハオチェン・チャン。1990年上海生まれ。フィラデルフィアのカーチス音楽院で学び、2009年にヴァン・クライバーン国際コンクールで第1位になった。 曲が曲なので(つ…

森鴎外「護持院原の敵討」

森鴎外の歴史小説の中からもう一作、「護持院原の敵討」(ごじいんがはらのかたきうち)を取り上げたい(岩波文庫では「大塩平八郎」↑の中に入っている)。これも名作なので、あらすじの紹介は不要かもしれないが、未読の方のためにざっと紹介すると、江戸城…

森鴎外「阿部一族」(2)

(承前) 「阿部一族」には前回取り上げた林外記(はやし・げき)以外にも興味深い人物が多い。中でも特異な存在感を放つのが柄本又七郎(つかもと・またしちろう)だ。又七郎は阿部邸の隣家に住む武士。阿部家と柄本家は日頃から親しく交わる仲だった。とく…

森鴎外「阿部一族」(1)

2022年は森鴎外(1862‐1922)の没後100年だった。そこで鴎外の歴史小説をまとめて読んでみた。まず感嘆したのは簡潔明瞭な文体だ。一文たりとも足したり引いたりできない完璧さだ。その点では、「山椒大夫」と「最後の一句」が双璧だと思う。だが、文体だけ…